津軽海峡を新幹線でわたり、木古内駅で降りたのは午後3時前だった。
ここからは海沿いを函館まで、いさりび鉄道で行くのだ。
3時19分、一車両だけのローカル線はゆっくり動き始めた。
北国の列車は窓が小さく、窓側の足元は鉄製の四角い暖房筒があり暖かい。
暖かい日差しに映える紅葉の中を進んでいると、反対側に海が見えてきた!
電車はこのまま11月の海岸線をゆっくり進む。
小さな駅で1人2人乗ってくる人も又、海を見ている。
北国の午後は暮れるのが早い。 夕陽になりかけの光が海を
照らしている。旅に出てよかった、と思う。
4時を過ぎた頃には町が見えはじめ、電車は
さりげなく函館へ到着した。
衣類圧縮パックを詰めたボストンバッグを部屋に残して、僕はホテルのバーでまた海を見ていた。
松木